2023年度から新形式となった群馬県公立高校入試の問題。
群馬県公立高校入試、問題と解答(国語、数学、英語、社会、理科)
↑ここから実際の問題が見れます。
新形式にはなったものの、英語に関して、やはり主に求められているのは、
・英語を正確に聞き取り、状況や内容を理解すること。(リスニング)
・英文をスピーディーかつ正確に訳すこと。(リーディング)
・文法的に正しい英文を書くこと。(ライティング)
これらの点において、”表面上”は変わりはありません。
しかし、個人的には、
群馬県公立高校入試の英語の問題では、
とにかく『英文を作る力』を求められている。
と感じました。
その理由は、以下をご覧ください。
群馬県公立高校入試の英語の問題を分析する
2023年度の群馬県公立高校入試の英語の問題をタイプごとに分類したところ、以下の通りとなりました。
聞き取り問題と読み取り問題で構成され、全体で合計29問。
記号 問題 | 英文を 作る問題 | 合計 | |
---|---|---|---|
聞き取り問題 (リスニング) | 8問 | 1問 | 9問 [28点] |
読み取り問題 (リーディング, ライティング) | 6問 | 14問 | 20問 [72点] |
全体 | 14問 | 15問 | 全29問 [100点満点] |
聞き取り問題(リスニング)
9問
そのうち、8問が記号問題で、1問が英文を書く問題。
読み取り問題(リーディング,ライティング)
20問
そのうち、6問が記号問題、14問が英文を書く問題および英単語を適切な形にして書く問題。
合計
29問
そのうち、14問が記号で答える問題。
つまり、残りの15問は、英文を作るライティングの問題と空欄に入る語を適切な形に変えるライティング的な要素を含む問題です。(日本語で答える問題は1つもありません!)
やはり、この出題形式では”英単語や英熟語の暗記”だけでは、どうにもなりません。
※ 空欄に入る語を適切な形に変える問題を“ライティング的な要素を含む問題”と表現するのは、否定的な意見もありそうですが、個人的には、英文法を理解し、語の形を使い分けるという点では、同様に感じます。
リーディングが出来るだけでは、6問しか取れない!?
なんと、読み取り問題の20問のうちでは、6問しか記号問題がありません。
単純にリーディング(読み取り)が出来れば、その6問の記号問題は取れるかもしれませんが、
それ以外の14問のうちの多くは読み取りができたうえで、英文を作ることができないと点数を取れないということです。
つまり、全体で見ると半分以上、読み取り問題だけで見ると7割が『英文を作る』問題であり、ライティング(英作文)のスキルが必要不可欠です。
群馬県の公立入試の英語のライティング問題のレベルについて
今回の群馬県公立入試問題・英語のライティング問題としてのメインとなる大問7では、
・『円グラフが示す内容』を10語~15語の英語で書く
・『充分な睡眠時間を取るためには』に続く形で、20~30語の英語で書く
というものでした。
非常に難しいというわけではないですが、正直言って、英語が苦手な子は、特にしっかり対策しておかないと大問7では1点も取れないのではないかと感じます。
英検のライティング問題との比較
中学卒業レベルの英検3級でもライティングの問題が出題されていますが、『誕生日にどこに行きたい?』などのもっと簡易的で答えやすい質問に英文を25~35語で書くというものです。
ちなみに、高校中級レベルの英検準2級のライティングの問題では『ボランティアで他の国に行くことは良い考えだと思いますか?』のような内容に50~60語の英語で答えるというものです。
群馬県の公立入試問題は、英検3級の問題と比べて語数はやや少ないですが、問題解決のための意見論述になるので、英語以外の知識や発想力なども求められている分、英検3級のライティング問題よりは少し難しく感じました。
どちらかと言えば、群馬県の公立入試問題の大問7のライティングの問題は、語数の差はあれど、英検準2級のライティングの意見論述問題に近い形式だと思います。
ライティングに特化した勉強をする機会としても、ライティングを重視している英検の受験は非常に大きなメリットがあると思います。
高校受験を有利に進めるためにも英検は取得したほうがいい
あくまで英検は英検、公立高校入試問題は公立高校入試問題ですが、先述のライティングのみならず、リスニングやリーディングが英検には含まれています。
したがって、英検取得のための勉強は、公立高校入試問題を解くスキルを身につけるための勉強としても非常に有益であると思います。
また、英検は資格として受験時の内申書にも記載できますし、高校によっては評価の対象になる場合もあるので、英検の取得は高校受験にも強く繋がっていると感じます。
高校受験を有利に進めるためにも、当塾では小学生から英検の取得を推奨させて頂いており、日頃から英検対策を行なっている子も多くおり、中学1年生で英検準2級合格者も出ています!
早いうちから英検の勉強をするかしないかで、中学3年生になる頃には、既に”埋めがたい大きな差”がついてます。
ライティング(英作文)の難しさ
英語の勉強が進むにつれ、難易度の高さが入れ替わるかもしれませんが、中学生にとっては基本的に、リーディングとライティングでは、ライティングの方が圧倒的に難しいと思います。
ライティングができる人はリーディングも大体出来ますが、リーディングができるだけではライティングはできない場合が多いです。
“リーディング”だけで解けるのは”記号問題”まで
リーディングは、単語さえわかれば、英文法のルールの理解が曖昧だとしても、文脈から推測で”なんとなく”は訳せるでしょう。
もちろん、完璧に訳すことができることが望ましいですが、文脈から推測して”なんとなく”で訳せるだけでも、答えが最初から用意されている”記号問題”では、点数が取れる可能性は高いです。
しかし、リーディングがいくらできても、”記号問題ではない問題”、つまり、”英文を作って答える問題”などはライティングの力も必要になるので、英文法のルールを確実に理解していないと解けません。
英文を作るには、
・その単語をどの順番で並べればいいのか
・その単語をどの形で書けばいいのか
・どの冠詞を付ければいいのか
・sをつけるべきなのかどうか
などなど、他にも山ほど様々な英文法のルールを考える必要があります。
また、意見論述でしたら、テーマに対する意見を考えて書かなくてはいけないので、英語だけではなく、一般的な教養や考える力も必要です。
これらのことから、ライティングはライティングに特化した訓練をしっかり積まないと、点数に結びつきません。
ライティングで英語の本当の実力がわかる
学校の定期テストで、それなりに点数が取れていて、英語にそこそこ自信がある子でも、いざライティング(英作文)をさせると、
I am play …
なんて書いていたりします。
もう、この時点でバツです。
しかも、これが何故ダメなのかすらわかっていなかったりします。
これはあくまでも一つの極端な例ですが、英作文をさせると多くの中学生がこのような初歩的な英文法のミスをしています。
繰り返しになりますが、英語の定期テストでそこそこ高得点を取れている子であってもです。
恐らく”定期テスト”だけでしか高得点が取れない理由は、英文法を論理的に理解しているわけではなく、テスト範囲の英単語や英熟語、英文を丸暗記して点数を取っているからです。
リーディングは先述の通り、”推測”で”なんとなく”訳すこともできますが、ライティングは誤魔化しが通用しないので、英語の本当の実力がわかります。
今までは、その“なんとなく”で定期テストで高得点を取れていても、入試においてはここで大きく差がつくことになります。
英語が得意な子でもライティングの独学は厳しい
もちろん、英単語や英熟語を覚えることも必要ですが、それだけでは入試では戦えません。
その先にある英文法の理解と、それを用いてのライティング(英作文)はさらに難しいです。
ライティングの勉強をするにしても、それを添削する人がいないと、自分の書いた文章が英文法的に正しいのかも間違っているかも判断できていない子が非常に多いです。
つまり、『ライティング(英作文)は独学では厳しい。』ということです。
その点も含めて、独学で現在の出題形式の高校受験に挑むのは、正直言ってかなり不利です。
『高校受験を突破できる実力を身につけたい』
『高校受験がこのままでは不安』
という方、
必ずお力になれると思います。
是非お気軽にお問い合わせください。